聖書の植物 
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 聖書の植物 1ページ   (第1項〜5項)
         聖書と関係深い植物に注目していきます。
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目次
 聖書の植物 −9− なつめやし・・・しゅろ(棕櫚)とも記述、ギリシャ語ではフェニックス
 聖書の植物 −8− ざくろ・・・ぶどう、いちじくと同様豊かさの象徴 2ページに掲載
 聖書の植物 −7− ヒソプ・・・聖めの儀式の道具(刷毛)となる枝と葉 2ページに掲載
 聖書の植物 −6− 乳香樹・・・樹液から芳しい香の乳香が  2ページに掲載
 聖書の植物 −5− アーモンド・・・エレミヤが主から召命時の対話で返答
 聖書の植物 −4− いちじく(無花果)・・・聖書で最初に名が出た植物
 聖書の植物 −3− 野の花・・・イエスが湖畔での説教で引用
 聖書の植物 −2− ナルド・・・イエスに注がれた香油の植物
 聖書の植物 −1− パピルス・・・「ペーパー」、「ザ・バイブル」のルーツの植物

記事
 聖書の植物 −5− アーモンド・・・エレミヤが主から召命時の対話で返答
関連聖書箇所
アーモンド
の花
七枝の燭台
(メノラー)
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 エレミヤが主から召命を受けたとき、主に「何が見えるか?」と問われ、「アーモンドの枝が見えます」と答えました。的確に答えることの出来たエレミヤに主は、彼に対してイスラエルの民に主の導き・戒めを示す使命を持たせるべく、アーモンドの枝を示すことにより彼とイスラエルの民に、これからの導きと守りを与えることを暗示しました。これより前のモーセの時代、既に主はモーセに対して、主の導きと守りの徴として、支柱にアーモンドの花の形を刻んだ模様を持つ燭台を作り、神殿に備えるよう命じていました。イスラエルの象徴の一つとして使われる7つの枝の灯火台を持つ燭台(メノラー)には、アーモンドの花が22個(3個X6本+4個X1本)刻まれています。出エジプト記25章にはこの燭台の作り方が、また形や数が細かく指定され、花の萼(がく)と節と花弁を各支柱と一体化した打ち出し作りとするよう指示しています。 このアーモンド(シャーケード)が刻まれたメノラーはイスラエルの各家庭にも備えられ、傍に置く事により、常に主が見張り、守っていて下さる(ショーケード)という思いが強くあります。 ここにはシャーケード、ショーケードと語感の韻(いん)を踏んだ語呂合わせ、平たく言えば駄洒落(だじゃれ)表現となっています。 (下記エレミヤ書を参照下さい)
 ナッツの中でもアーモンドはそのまま食べてもおいしいし、チョコレートやケーキ作りにも活用され人気が高く、また栄養素が豊富です。アーモンドは暖かい地中海地方が原産で、その花はちょうど桃や桜を思わせる鮮やかなものです。(アーモンドの並木道) そしてそれには小さい桃のような実がなり、その種の部分の中にアーモンドが出来ます。 アーモンドの木は、ホームセンターで家庭栽培用の苗木を販売されているところもありますし、通信販売(ネットなど)でも入手することができます。ただ寒さに弱いので通年の気温や日照に注意が必要です。
 (注 : 口語訳聖書では「アーモンド」を「あめんどう」と表現している)
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聖書
旧約聖書 エレミヤ書 1章11〜13節
 
主の言葉がわたしに臨んだ。「エレミヤよ、何が見えるか。」わたしは答えた。「アーモンド(シャーケード)の枝が見えます。」 主はわたしに言われた。「あなたの見るとおりだ。わたしは、わたしの言葉を成し遂げようと見張っている(ショーケード)。」 主の言葉が再びわたしに臨んで言われた。「何が見えるか。」わたしは答えた。「煮えたぎる鍋が見えます。北からこちらへ傾いています。」
写真、参考文献 :  「聖書の植物物語」 ミルトス社 2000年、「聖書と花」 八坂書房 1992年、
  「新聖書辞典」 いのちのことば社1999年、  「野の花」 角川書店 2002年、 写真提供:一部個人
 (以上)
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 聖書の植物 −4− いちじく(無花果)・・・聖書で最初に名が出た植物
関連聖書箇所
いちじくの実 いちじくの
菓子(タルト)
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 植物のうち聖書で最初に具体的な名が登場するのがいちじくです。エデンの園でアダムとイブは裸でいる恥ずかしさを知り、いちじくの葉をつづり合わせ、腰を覆うものとした、と記されています。いちじくの原産地は小アジア・中近東で、古くからざくろ、ぶどうと並び栽培され、生活に密着、聖書の中に、その葉やいちじく桑、干しいちじく、また干しいちじくの菓子の表現も含め特に旧約聖書の中に数多く登場します。日本には17世紀に長崎にいちじくが持ち込まれたと伝えられています。いちじくの実の中にある雄花・雌花が外から見えず花が無い様に見えるので漢字では「無花果」と書くようになったと伝えられています。
 ダビデの放浪時代の記事には干しいちじくが干しぶどうとならんで重要な糧であったことが記されています。(例、サムエル記上 25:18、歴代誌上 12:41など) 聖書には、死にかかっていた南ユダ王国のヒゼキヤ王が、イザヤの指示で取り寄せた干しいちじくを患部に当ててもらって病が治ったと記されています。(列王記下 20:7) このようにいちじくの実は古代から治療に使われ、今日では制ガン効果の臨床例が報告されています。 さらにいちじくの葉から出る乳液はあせもなど皮膚治療に効果があるとされ、民間療法に使われたり、治療薬の成分の一つとしても活用されています。
 福音書には実のならないいちじくのたとえ話が出てきます。(ルカ 13:6〜9) イエスは、そのいちじくの木を切り倒すのではなく、実がなるように世話をし、肥料を与え育てることを教えることにより、神の憐れみと忍耐を示し再臨・終末の裁きへの備えを比喩した教えとして登場しています。
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聖書
旧約聖書 創世記 3章1〜7節
 
主なる神が造られた野の生き物のうちで、最も賢いのは蛇であった。蛇は女に言った。「園のどの木からも食べてはいけない、などと神は言われたのか。」女は蛇に答えた。「わたしたちは園の木の果実を食べてもよいのです。でも、園の中央に生えている木の果実だけは、食べてはいけない、触れてもいけない、死んではいけないから、と神様はおっしゃいました。」蛇は女に言った。「決して死ぬことはない。それを食べると、目が開け、神のように善悪を知るものとなることを神はご存じなのだ。」女が見ると、その木はいかにもおいしそうで、目を引き付け、賢くなるように唆していた。女は実を取って食べ、一緒にいた男にも渡したので、彼も食べた。二人の目は開け、自分たちが裸であることを知り、二人はいちじくの葉をつづり合わせ、腰を覆うものとした。
写真、参考文献 :  「聖書の植物物語」 ミルトス社 2000年、「聖書と花」 八坂書房 1992年、
  「新聖書辞典」 いのちのことば社1999年、  「野の花」 角川書店 2002年、 写真提供:一部個人
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 聖書の植物 −3− 野の花・・・イエスが湖畔での説教で引用
関連聖書箇所
ガリラヤ湖畔
(湖岸の花)
アネモネの花
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 イエスはガリラヤ湖畔で「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。・・・」と、思い悩むな・・と諭されました。有名な「山上の垂訓」の一コマです。(一部聖書ではこの野の花を百合と表現しています。文語訳、新改訳、フランシスコ会訳など。翻訳の上で意見が分かれるところです。) 百合と訳される元の語が数種類の多様な花を意味する単語であったなど、聖書で多く出てくる「百合」と表現されている植物については本当は何の花なのか議論が続いています。今日我々が知っている百合はこのガリラヤの野にすぐ目につくありふれた花ではないので、この百合を指しているとは考えにくいのも理由の一つです。 この「野の花」は、本当は何なのでしょうか。多数説としてアネモネではないかと考えられています。それはこの地が原産の球根植物で、ガリラヤ湖畔に大変目立つからです。イエスは人々がよく理解出来るようにと、目の前に咲いていたアネモネを指して話をしたのでしょうか。 他に菊科のカミツレではないかという意見もあります。これはこの地に多く、白と黄色の落ち着いた花を咲かせるという点で「今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草」は、カミツレの花・葉やアネモネの花・葉の雰囲気がぴったりのようです。 このガリラヤ湖畔には他にアザミヒナゲシシクラメンまたカラシ類(白・黒辛子)などの花が多く目につきます。 「野の花」は一種類ではなく、これらいくつかの種類の花を指していたのかも知れません。 ちなみに、ソロモンの雅歌に出てくる「シャロンのばら、野のゆり」は最近、「野のゆり」はいわゆる百合ではなくヒアシンスあるいはスズランではないかと考えられているようです。
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聖書
新約聖書 マタイ 6章27〜32節
 
あなたがたのうちだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。 なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。 しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。 今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことではないか、信仰の薄い者たちよ。 だから、『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』と言って、思い悩むな。 それはみな、異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの天の父は、これらのものがみなあなたがたに必要なことをご存じである。 何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。 だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。」
写真、参考文献 :  「聖書の植物物語」 ミルトス社 2000年、「聖書と花」 八坂書房 1992年、
  「新聖書辞典」 いのちのことば社1999年、  「野の花」 角川書店 2002年、 写真提供:一部個人
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 聖書の植物 −2− ナルド・・・イエスに注がれた香油の植物
関連聖書箇所
ナルド・
スタキス
ナルドの草根
(スケッチ)
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 ナルドは、エルサレムの東、オリブ山のふもとに位置するベタニアの女性姉妹の一人マリヤがシモンの家でイエスの体に注いだ出来事で有名な香油を抽出する植物です。 この香油は、北インド・ヒマラヤが原産でオミナエシ科植物ナルド・スタキスという植物の根から抽出した香料をオリーブ油で溶いたものです。 ナルドの香油は古来から貴重なものとされ、旧約聖書のソロモンの雅歌(1:12、4:13)にも、この記述が出てきます。 その香は炭や土さらに松ヤニの香りを含み、深い森を連想させます。 今日では、スパイク・ナルドと呼ばれる香油で、殺菌効果があり、アレルギーなど皮膚治療、アロマテラピーでリラックス作用による疲れの癒しなどに使われています。(市販製品例)
 新約聖書の記述は、イエスが受難を前に、イエスの覚悟を悟ったマリアはナルドの香油をイエスに注ぎ、歓迎の気持ちをあらわすと同時にイエスを慰めたと解釈されています。 当時ナルドの香油は遠路輸入されており、とても高価(一瓶で労働者の賃金一年分に相当)だったため、イエスの弟子達が「もったいないことをするな」ととがめています。 しかし、香油を体に塗るということはひとつの身だしなみであり、同時に死者を葬る際の当時の習慣でした。 迫り来る死を感じていたキリストは、「福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」(マルコ14:9)と述べています。確かにそのとおりになりましたね!(参考:フェルメールによる絵画)
 このナルド・スタキスの根の漢字表現は甘松香(かんしょうこう)と呼ばれ、古くから漢方薬に使われ、胃や頭の鎮静、腹部膨満対策、精神安定などに、特に芳香性健胃薬として食欲不振対策などに用いられます。
 【 聖書のこの部分の記述は、福音書により細部に微妙に違いがあり、参考に読み比べる(並行読み)と興味深いと思います。(マタイ26:6-13、 マルコ14:3-9、ルカ7:36-50、 ヨハネ12:1-8) 】
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聖書
新約聖書 マルコ 14章3〜9節
 
イエスがベタニアで重い皮膚病の人シモンの家にいて、食事の席に着いておられたとき、一人の女が、純粋で非常に高価なナルドの香油の入った石膏の壺を持って来て、それを壊し、香油をイエスの頭に注ぎかけた。そこにいた人の何人かが、憤慨して互いに言った。「なぜ、こんなに香油を無駄遣いしたのか。この香油は三百デナリオン以上に売って、貧しい人々に施すことができたのに。」そして、彼女を厳しくとがめた。イエスは言われた。「するままにさせておきなさい。なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ。貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるから、したいときに良いことをしてやれる。しかし、わたしはいつも一緒にいるわけではない。この人はできるかぎりのことをした。つまり、前もってわたしの体に香油を注ぎ、埋葬の準備をしてくれた。はっきり言っておく。世界中どこでも、福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」
写真、参考文献 :  「聖書の植物物語」 ミルトス社 2000年、ミルトス社 香油市販サイト、
  「新聖書辞典」 いのちのことば社1999年、  「野の花」 角川書店 2002年、 写真提供:一部個人
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 聖書の植物 −1− パピルス・・・「ペーパー」、「ザ・バイブル」のルーツの植物
関連聖書箇所
パピルスの
群生
パピルスの
聖書写本
[マウスオン画像切替]
 パピルスはエジプトからパレスチナが原産の水性植物で、特に古くからナイル川流域で群生しその茎は、中国からの紙が入ってきた9世紀位までの間、紙の材料に使われました。 パピルスは、日本名で「紙蚊帳吊り(かみがやつり)草」と呼ばれ、高さは約3〜5m程に、また茎の太さは直径5cm程に成長します。 昔はナイル川下流域に多かったのですが、今日では少なくなりました。ナイル川の上流、ガリラヤ湖の周辺にはまだ残っている所があります。寒さに大変弱い植物で、日本では温室の中でなければ越冬ができません。 パピルスは柔軟で丈夫なため、いろいろな細工物に使われマット、かご、またロープなど、大きなものは帆船まで造られました(イザヤ書18:2)。 モーセは幼児の時、このパピルスの篭(かご)に入れられて流され救われました(出エジプト記2:3)
 紙を作る際、パピルスの茎の髄(ずい)の部分が使われます。これをギリシャ語で「ビブリオン」と言い、書物を意味します。 ザ・バイブル(聖書)の語源はこのビブリオンです。 また、この紙を交易していたフェニキアの都市はヒブロス(今日のレバノンのシュバイル)と呼ばれ、パピルスを意味していました。 こちらも都市名の由来の語源を共通にしているようです。 また既にご承知かと思いますが、紙を意味する英語の paper、フランス語の papier などは、このパピルスに由来しています。どれもなんだか似ていると思いませんか。パピルスもバイブルも基をたどれば同じ所にたどり着くようです。 エジプト旅行土産の定番といえばパピルス製品。パピルスのしおりは手軽で人気があります。
写真:パピルスの聖書写本  コプト語のヨハネ福音書、4世紀(部分)。英国聖書協会所蔵〕
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聖書
旧約聖書 出エジプト記 2章3節
 しかし、もはや隠しきれなくなったので、パピルスの籠(かご)を用意し、アスファルトとピッチで防水し、その中に男の子を入れ、ナイル河畔の葦の茂みの間に置いた。
旧約聖書 イザヤ書 18章2節》
 
彼らは、パピルスの舟を水に浮かべ海を渡って使節を遣わす。行け、足の速い使者たちよ。背高く、肌の滑らかな国 遠くの地でも恐れられている民へ。強い力で踏みにじる国幾筋もの川で区切られている国へ。
写真、参考文献 :  「聖書の成立と翻訳」 日本聖書協会1992年、
  「新聖書辞典」 いのちのことば社1999年、  「野の花」 角川書店 2002年、 写真提供:一部個人

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